古くから人類は、情報を記録保存し、後世へ残そうとする欲望が強く、石を並べたり、粘土板に像を刻んだりしてきました。時代が進むにつれて、より多くの情報をより少ない容積に保存をするために、竹や木片あるいは獣皮の薄片などを用いるようになりましたが、B.C.3000年頃エジプトでナイル河岸に生える草を加工して、パピルス(Papyrus)が、発明されました。
現代に通じる植物繊維紙は、中国・後漢の元興1年(A.D.105)に蔡倫の手による発明とされています。この技術は、シルクロードを経て、中東から欧州に伝わります。一方日本へは、朝鮮を経由して、推古天皇の代(A.D.610)にもたらされたとされています。
時代を特定できる最古の印刷物といわれる「百万塔陀羅尼経」法隆寺(A.D.770)なども銅鋳版により、このような紙に印刷されたのでしょう。
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